Story
R35 GT-Rをデザインした手が、指輪を作るまで。
私は1971年生まれ、福岡県出身。九州芸術工科大学(現・九州大学)を卒業後、日産自動車にインテリアデザイナーとして入社しました。ダッシュボード、コンソール、ドアトリム——クルマの「中身」、人の手が触れ、目が触れ、体が預けられる接触面のすべてを設計する仕事です。
代表作は、R35 GT-Rのインテリア。

ミリ単位の造形が、日常の体験を変える。それを信じて、日産、ダイハツ、長城汽車、Hondaと、二十年以上この仕事を続けてきました。
クルマのインテリアは、いくつもの部門を経て、何百人もの手を介して、ようやく形になります。デザイナーが描いた線がそのまま最終製品に残ることは、実はそう多くありません。それは大きなものづくりの宿命であり、誇りでもあります。
でも、いつからか、こう思うようになりました。
ひとりの手から生まれて、ひとりの手に届くものを作りたい。
原点は2022年、メモ帳に残した走り書きです。
「指輪をデザインする」
カーデザイナーとして曲面を描いてきたこの手で、指輪を——。その想いは、時間が経っても消えませんでした。むしろ、様々な経験を経て、強くなっていた。
手に触れるものを、自分の手で作りたい。
その衝動が、私を指輪に向かわせました。Infinaetは、30年間クルマの「接触面」を設計してきたデザイナーが、五感で培ったすべてを一本のリングに注ぐブランドです。

ものづくりの舞台裏は、noteの航海日誌に記録しています。
Yuichi KAWANO / Infinaet ファウンダー